この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

飲食店経営者が犯しやすい間違えその2『FL60%神話』

一般論として、

F → food →原価
L → labor →人件費

両経費の合計値を指す!を

6割以内に抑えないと
収益性が良くないとする大まかな基準値

考え方、理論的には間違いではないが
この数値を自店舗に求める際にそのままFL60以内
と数字のみを店長に伝える、中身が不明で説明が出来ない。

また、空論理であり、FL60の組み立てが無いので
その数値に成るか成らないかは、不明という
出たとこ勝負です。

これでは、経営上、大きく2つの問題が浮上します。

問題点その1
FL60%以内の根拠は、飲食店が収益性を
確保するに目処とする原価と人件費の合計比率であり、

あくまでも一般的な目処である。

学校のテストで悪くても50点、60点は、
取っておかないとそれ以下だと欠点になります。
と言っているような例えと同じです。

要は、その数字に中身や論理がないという事です。

故に、その数値に成るか成らないかが分からない。
と成るんです。

本来は、店舗開業に掛かる費用を何年で回収し
どの程度の収益を出すか?を定め、投資と回収の
計画を組みます。

その投資回収を実現するには、

1、売上は、いくら程度必要で、
2、利益は、いくら程度必要だ
3、その為には、各経費(原価、人件費、家賃、その他経費)
は、いくら程度にすべきだ。

と設定していきます。

そして、その数値を実現するには、
メニューは、こんな構成で、この程度の売価で材料費で、

お店は、何人で回すように、何坪くらいで、何席程度で
社員が何人、バイトが何人必要だと経費の中身を設定
していきます。

この中身の設定が理解できてない為、
60%と言っても、心の目標であり、実際は、別と
言わざるを得ません。

結果、収益性に?が付きます。

2つ目の問題は、

根拠がない為、管理が出来ない。
故に、数値コントロール技術を教育する事が
出来ないという、人材育成に繋がらない事です。

根拠がある数値で60%で、実際の数値が62%であれば
誤差の2%を追求する事が出来ます。し、追求するのが
店長等の役割であります。

しかしながら、数値の積み上げ根拠がなければ、
全てが結果数値であり、ダメだった!
もしくは、偶々達成した!のどちらかになり
その中身を理解できない為、再現性がなく、教育できないです。

この状況で多店舗化すると、リスク大です。

事業の基本は、逆算的発想です。

俗にいう、事業計画です。

いくらの投資を
何年で回収し、どの程度収益を出す。

その為には、
売上、FL、経費、賃料で

どんな店舗、メニュー等のコンセプトで
店舗運営をするか?を

先に設定する事が必要です。

後は、その想定通りに運営出来ているか?
を日常的にチェックするんです。

この一連の考え方と数値計画を
理解し、お客様と共に働く従業員の満足を得つつ、
最大利潤を確保(会社の満足)するのが店長です。

標準値や基準値が無いと、何が正しいのか?
間違っているのかが、全く分からず、判断が出来ない。
故に全てを社長がジャッジするしかなく成る・・・

結果、社長の目の届く範囲、規模しか展開できず、
社長が目を離すと、何が起こるか分からないという
危険性が高いお店となります。

まとめると、

FL60%総論であ理、単なる目処の数値です。

大事なのは、総投資を何年で回収し、
どの程度の利益を出すか?を決め

その為には、いくら程度の売上で
各経費をいくら程度で収め、収益の目処を
決めるという思考の中で、

コンセプト(お客様に提供する価値)
事業計画(会社が得る価値)のバランスから
FL数値を決め、メニューや店舗レイアウト、
オペレーションとして標準、基準値として
決め込むものです。

大事なのは、
コンセプトと事業計画であります。
俗説に振り回されないよう注意です。