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上編では、
https://foodno1.co.jp/bg/archives/1018/
具体的手法に入る前の”理想の売上”の有無
理想の売上を設定することで得られる
現状との”ギャップ”(差)=埋めるべきギャップ(差)
その他、飲食店としての前提の提供価値
と、その結果得られる事業としての計画数値
その2つの基準値の重要性
諸々考え方の基本となる
PDCAサイクルの話し
等ベースとなる考え方を話して来ました。
概論ばかりか?と怒られそうなので
下編では、具体的な売上アップ手法に入ります。
先ず第一にギャップを知る
理想を決め現実を引く=ギャップ=埋めるべき課題
理想値を決める事=開業(想定)事業計画のこと
で、ギャップ(埋めるべき差)が分かればゴールが見えてる
という事です。
走り方を考える事が出来ます。
短距離か?
長距離か?
それにより、戦法も変わりますよね!
さあ?どのように戦法を導き出しますか?
ここでの考え方の基本は、”ブレイクダウン”思考
ギャップを細分化するという事です。
ここで見えているギャップは、数値です。
売上高の差異ですね、
この差異の数値をブレイクダウンするんです!
基本に戻り基本中の基本の公式です。
売上高=客数×客単価 です。
ギャップは、売上のギャップです。
ギャップであれ売上ですから、導く公式は、
変わる事は無しです。
具体的には、
ギャップ数値(売上) ÷ 客単価で
ギャップを埋める客数を算出します。
これが第一段階の最終です。
ギャップのブレイクダウンで客数のギャップ値が
明確になりました。
続いて客単価をブレイクダウンです。
先の公式で客数のギャップを導き出しました。
客単価は、一日通しての単価で割り算としています。
ここで、一日通した客単価をブレイクダウンするという事です。
理解の仕方は、営業スタイルによる客単価を明確にすることです。
即ち、モーニング営業の単価、ランチの単価、ディナーの深夜の
と言う様に時間帯別営業スタイルの単価にブレイクダウンする事です。
トータルの売上を時間帯別に区分し、同様に区分した客数で
割り算するだけです。
ここまでの作業で明確になったことを整理すると
① トータル売上のギャップ
② ①の為のトータル客数
③ 既存売上に於ける時間帯ごとの客単価
以上3点が明確になりました。
ここで2-1~2-3を仮数値を用いて説明します
目標売上と現状売上
目標売上1000万円
現状売上950万円
ギャップ売上とトータル客単価
ギャップ売上50万円
現状客単価約1150円
ギャップ客数と時間帯別客単価(モーニング、ランチ、ディナー)
ギャップ客数500人
モーニング客単価:600円(150万円)2500人
ランチ客単価 :850円(250万円)3000人
ディナー客単価 :2000円(550万円)2750人
このような数値が算出できたという事ですね!
ここまでが分析、これからが本題です。
ギャップ客数の分配
分析から見えるギャップ客数を時間帯に
分配します。
モーニングに〇○人
ランチに〇○人
ディナーに〇○人 という感じです。
この際のポイントは、
ギャップ客数を先に、大きく平日と土日祝に
分けて置くことです。
500人であれば、平日200人、
土日祝300人みたいな感じです。
ギャップ客数分配の考え方
現状の客数に上乗せする訳ですから
そんなの厳しいという考えになりがちです。
ここで大事なのが、更なるブレイクダウンです。
ここ数か月の平日ランチなら平日ランチの
客数を分析するんです。
平均は、〇○人だけど、上限と下限が有る訳です。
30人と50人の平均は、40人。
ここで上限50人への上乗せには、抵抗があるけど、平均の40への
上乗せには、可能性が感じれるんじゃないか?
であったり、具体的な施策の精度などを鑑み振り分けます。
次は、振り分けた客数を一日当りに振り分けるです。
500人のギャップ客数を
大きく平日(20日間)250人
土日祝(10日間)300人 という感じに、
で、これを1日当りですから
平日200人÷20日=10人
土日祝300人÷10日=30人
このように分配する訳です。
次が日当りの人数を時間帯別に振り分ける訳です。
平日10人
土日祝30人です。
これを順に考えつつ振り分けます。
時間帯は、基本3つです。(モーニング、ランチ、ディナー)
ここで注意すべきことが一点です。
客単価です。
平均単価と時間帯別単価には、違いが有るという事です。
モーニングばかりで平日の10人を増やすと考えると
単価600円ですから6000円のアップ(日当たり)
20日間で120000円で50万とのギャップ38万円を
土日祝の10日間で上げる必要になるという事です。
時間帯の客単価を念頭に時間帯ごとに
日別の増客必要数を振り分ける訳です。
でも、算数の答えのように縦横の計算を合わせる事が
目的ではないので、余り深く合わせようとはせず、
時間帯別に可能性のある振り分け方が必要です。
無理に計算上の振り分けだけでは、行動に繋がらない
では意味なしですので、この点要注意です。
ここまでのブレイクダウンの後目標値に対しての施策を立案
まだPDCAにPの段階です。
段取り7分とか8分とか言われる意味がこの事です。
例をまとめると
現状950万の売上を1000万に上げる目標
ギャップ50万円
客単価平均で1150円 増客必要数435人
平日235人÷20=12人
土日祝200人÷10=20人
このように振り分けると
平日12人をモーニング、ランチ、ディナーで具体的施策
にて展開する訳です。
同様に土日祝は20人を3時間帯で振り分け
時間帯別入客数を平均7名づつ増やす様な施策を打つ訳です。
ここまでで、具体的な目標値の設定が数値で出来た事になります。
具体的売上アップ施策(客数アップ)
平日一日平均12名
土日祝で20名の増客を如何に実現するか?
がここからの課題です。
客数には、リピート客と新規客がある
売上=客数×客単価
売上=(新規客+リピート客)×客単価と表現出来る
ですから、客数を増やすには、2つのお客さんがいる訳です。
どちらに標準を合わせるのか?
はたまた、更に半分づつの6名6名と考えるのか?
あなたはどのように考えますか?
一般的には、新規客を増やす事とリピート客を増やす事を
比較すると、リピート客を増やす方が容易いと言われます。
何故だか分かりますか?
リピート客・・・・今、目の前にいるお客様、昨日も目の前にいました。
新規客・・・・まだ見た事も聞いた事も無いお客様と言い変えれる!
見た事も無いお客様を連れて来るのは、考えるに難しそうですね!
コスト的にもリピート客を増やすより新規客を増やす方が
高コストと言われています。
実際に如何にしてリピート客を増やすのか?
ここからは、具体的手法です。
言い変えれば、リピートしてくれる新規客獲得手法、
関係性構築販促の説明に入ります。
関係性構築販促とは?
繰り返しです。
リピート客になり易い、なり易くなる新規客の獲得手法です。
関係性構築販促に必要なもの
①通信型チラシ
②店舗周辺地図 の2点です。
通信型チラシとは?
読んで字の如く、通信型
分かり易く言うと、新聞の様なチラシを作ります
内容は、
①看板メニューの写真がドーンと掲載
②看板メニューの説明記事
③店舗の説明記事・・・業態コンセプト説明
④店長、スタッフ紹介・・・毎回1名づつ程度
⑤イベント紹介など
⑥メニュー、店舗レイアウト等の紹介
⑦住所、地図
⑧少しのお客様メリット
こんな感じです。
この店は、どんな店が色んな角度から書いてある
通信型のチラシです。レターのような感じです。
見難いですが、イメージこんな感じです。
看板メニュー、店舗紹介、人材紹介、イベント、想い・・・
が記載してあれば、手書きでも基本OKです。
店舗周辺地図にて、商圏を設定する
基本、繁華街、ビジネス商業型立地の店舗(テナント店舗)
の場合、商圏は、半径500m圏が主になるイメージです。
店舗を中心に半径500m圏を設定して下さい。
商店、お店、会社事務所の密集地域をラインマーカーにて
ラインを入れます。
地域の500m圏内のピックアップエリアです。
このライン上の事業所、店舗、会社事務所が訪問先です。
商圏内の事業所に訪問するんです。
ポストインじゃないです。
事務所内までピーンポーンです。
1件1件 当初は、月間100件目標です。
2ヶ月目200件、3ヶ月目250件、目標300件の
ピックアップ先に毎月毎月『こんにちは』で回って行きます。
『お忙しい中すいません。駅前の餃子屋〇○です。
今日は、近隣のお客様にお得な情報をお持ちさせて頂いております。
チラシ5枚程おかせて頂きますんで、お手すきに目を通して下さい。
失礼しました。』
こんな普通なイメージです。
売り込まない、必要以上に話さない。です。
このような感じで、100件、200件とまずは回ります。熟します。
2ヶ月目も同じです。
少しだけ言葉を増やします。『お得なチケット付いてますんで
良ければ使って下さい。』100円券程度
無視や迷惑そうな場合は、チラシを置き即変える。
怒られた場合、二度と来るな等の場合は、リストから外します。
逆に話しかけられたら場合は、
『そこの餃子屋ですが、御存じですか?』
『お店に来店頂いたことありますか?』
この程度の話しで、お店の紹介とイベント情報書いてますので
お手隙の際に目を通して下さい。で切り上げる。
決めた件数回ることを優先する
話し掛けられる場合、追い出される場合、無視・・・
色々あります。
話しはしても、長話しはしない。イメージ悪くないように切り上げる。
寧ろイメージ良いように切り上げる。
『美味しい餃子と元気の良い接客で待っておりますので、一度来店ください。』
この程度で切り上げるです。
3ヶ月目の訪問時
『いつもすいません!駅前の餃子の○○○です。お忙しい中失礼します、
今月のチラシ置かせて貰います。』
話し掛けてこられるのをちょっと待ちます。
”自分らア頑張ってるなぁー”・・・・これが来たら最高です。
話しましょう!
近隣の方々にうちの美味しい餃子を食べいて欲しいので・・・
前向きな話しをしましょう。
でも長話しは、なしです。2ヶ月目より少しは伸ばしても少しだけです。
このような感じを数百件出来れば、3ヶ月目で300件程度訪問です。
訪問した先のお客様が来店される際のやり取り(例)
訪問時お声掛け頂いたお客様が来店された!
お客様の第一声!
”店長” 来たで!
こんなイメージじゃないでしょうか?
店外で数か月に渡り関係性を構築して来ました。
先月名刺交換もさせて貰いました。
お客様の名前も役職も分かっています。
『〇○部長様』来て頂いたんですね!
嬉しいです。どうぞこちらの席へ』
お客様は、通信型チラシを通してお店のこと、
看板メニューのこと、スタッフのことなど、
知識が入っています。
一緒に来た同僚の方に自慢げに
この店の看板メニューは、〇〇で、何と一緒に頼むんや!!
あの店長は、名前〇○で、嫁、子供一人や
出身は、〇○らしいで!なぁ店長!とこんな感じですね!
関係性の出来たお客様は、最初からイメージがある
通信型チラシにて得た知識を話したいものです。
逆の店長側は、どんな心の動きでしょうか?
数か月訪問し、やっと来店頂いたお客様です。
やはり、嬉しいですよね!
アルバイトにも、あのお客様には、充分な対応しろよ!と
声を掛けるでしょう。
自ら幾度となく足を運ぶ、運びたくなることでしょう。
店外での関係性から、店内での関係性へ
即ち、イメージから実際へ
料理も接客もちょっと特別なお客様のような対応になります。
お客様は、イメージ=実際もしくは、イメージ<実際となれば
リピーター間違いな士です。
店外で関係性を作り、リピートして頂ける様な関係を作る接客で
リピーターに!成るべきして成るという事です。
このお客様は、口コミも良い意味で広げて繰れそうですね!
以上です。如何でしょうか
まとめです。
理想売上と現状売上の差異を数値で明確にする。
売上を客数に置き換え、何人お客様を増やさないとダメなのか?を
明確にする。
不足客数を時間帯、曜日毎に目標設定する。
目標値に合わせた、施策を時間帯ごとに検討し、実施する。
その中で、リピータになってくれるように新規客を集客する方法がある。
『関係性構築販促』
通信型チラシの近隣訪問配布にて
店外で数か月かけお客様と関係性を構築し
初回来店に繋げる。
これを数百件回ルという事です。
300件の訪問で15%~30%の来店率となる事例が多いです。
以上、3ヶ月90日で理想に売上を実現する流れです。
如何でしょうか?
決して成果を保証するものではありません、
決して簡単な事でもないです。
店舗の人員体制が無いと、配布にも行けません。
先ずは、店内の体制構築が先ですね!
新規のお客様が来店されても、スタンダードに対応できる内部体制
構築する事が、何よりも優先されます。
通信型チラシでのお客様が、実際お店に初来店された際
料理も提供が遅い、接客もだらだらでは嘘つきです。
御満足頂ける状態を構築した上での施策となります。
詳細な考え方やチラシの構築、配布計画等々
気軽に御質問等下さい。
これで終了です。